ファラオの墓 1 (Gファンタジーコミックススーパー) ファラオの墓 1 (Gファンタジーコミックススーパー)
竹宮 惠子 (2007/07/06)
スクウェア・エニックス


隣国ウルジナの急襲により、故国エステーリアを失った王子サリオキス。妹ナイルキアとは城を脱出する際、ナイルの流れの中で生き別れになり、さまざまな苦難の中にも誇りを失うことなく生き抜いていく。
サリオキスと年若いウルジナの王スネフェル、そしてナイルキアの三人のつながりが、歴史の流れを大きく変えていく……。

またまた新装版です。「竹宮惠子が好き」と公言しておきながら、実際持っている作品は長いこと『変奏曲』と『姫』シリーズだけだったというわかりやすい私ですが、『地球へ…』アニメ化に伴う今回の新装版ラッシュでまたまた購入してしまいました。
実を言うと、竹宮作品で一番最初に読んだのはこの『ファラオの墓』だったように思うのです。そんでもって、多くの読者と同じように、古代エジプトというものに興味をもったのですね。「ふたりの少年」という対立概念とか、流浪の王子とか、改めて読むと、私の底辺を感じ取れる部分が要所要所にあって、根源だなあという感が起こります。かなり影響を受けたようですね;笑。
随分昔の作品で、話の運びとかにはちょっと無理を感じるところもありますが、やっぱり凄い作品だなと思います。今読んでも、話の力強さにぐいぐいと押されてしまいます。そういう力をもっている作品は、最近の作品の中には少ないように思います。これだけの作品が氾濫している中にあって、それはとても残念なことのように思います。

ところで、私、長いこと思い違いをしていたことをここに告白いたします。
それは、アウラ・メサ姫の故国のことです。
私、今までずっと「アドビス」だとばかり思っておりました。
正しくは「アビドス」だったんですね!!
いや、本筋にはまったく関係ないのですけども、自分の記憶力が存外あてにならないことを知ってショックでした;;

この機会に新しくこの作品を知ってくださる方がいるといいなあと思います。

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鏡の国の戦士 (ハヤカワ文庫 JA ク 2-22 グイン・サーガ外伝 21) 鏡の国の戦士 (ハヤカワ文庫 JA ク 2-22 グイン・サーガ外伝 21)
栗本 薫 (2007/07)
早川書房


ようやく読めました……。

今回の外伝は、雑誌などに発表された短編二作とそれに続く書き下ろしで構成されています。
で、だ。
今回の外伝の驚くべきところは、本編よりも未来の話だというところでしょう!!何がどうなってこうなっちゃうんでしょうか?しかしながら、栗本女史の書くことには間違いがないから遠からず、そうなっちゃうんでしょうけども。
しかし、未だにタイスに囚われたままの彼らに付き合っている身としては、早く脱出してくれ〜〜〜〜の一言だったりしますが。

お話の内容は、栗本女史お得意のあれな感じで、なかなか楽しかったです。グイン絡みの外伝ってこういう話が多いですよね;笑。

次は本編の続きになるのかな?
グイン・サーガって本当にすごい小説ですよね。
よくこんなに続いて読者を惹きつけておけるものだと感心します。

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水の伝説 (講談社文庫) 水の伝説 (講談社文庫)
たつみや 章 (2007/07/14)
講談社


<神さま>三部作の〆の作品になります。
なんといいましょうか……私の知る、たつみやさんのもうひとつのPNの方面に近い感じが漂っている作品ですね、三作の中では一番。
そして、三作の中で一番、ハッピーエンドに近い作品だと思います。

小学六年生の光太郎は山村留学をしている。理由はイジメによる引きこもり。山に来た光太郎は、寄宿先の同級生・龍雄のおかげで元気に過ごすことができていた。そんなある日、禁域の乙女が淵でカッパを助け、美しい赤い盃を拾ったことから、光太郎の周りに不思議なことが起こり始め……。

水の神さまである二柱の龍神さまと光太郎と龍雄のやり取りの場面が好きです。すべてが終わったあとの夏祭りで、山姫さまの姿が見えた人と見えなかった人とがいて、それは本当にそうなんだろうと思います。

私には、見えるのだろうか?

三作の中で一番ハッピーエンドに近いと先に書きましたが、それでも人間がこの先やらなくてはならないことは、時間がかかり、人の手もかかり、簡単には為しえぬことであるのは間違いありません。
それでも、それをやっていかなくてはならないのだと思います。

私たちの世界のために。

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最遊記外伝 3巻 (3) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) 最遊記外伝 3巻 (3) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
峰倉 かずや (2007/07/25)
一迅社


ここまで、長かったですよね。
あの続きを。
読むために何年が過ぎたのでしょうか。
でも、読めたのだからよしとしましょう。
このあとが、どうか早く読めますように。

ついに天界を敵に回した四人組の逃避行が始まる。
天界を追放されたわけだから、その戦いが凄まじいものであることは容易に予測できたはずなのに。

あまりにも、悲壮感が漂っていて、まだ、誰も死んでいないのに、読むのが段々怖くなってきました。

悟空以外の三人は、転生しているのだから多分死ぬのでしょう。
そして、悟空だけがひとり残され、元の通りの岩屋の中へ。

繰り返される、出会いと別れ。

人の生は、あらかじめ決定されているものなのか?

彼らに感じるのは生き抜くための意志。
心が強くなくては生きてはゆけないという、ただそれだけのこと。

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POLLINATION (B-BOY NOVELS) / 木原 音瀬

画像はあったのですが、あまりにもあまりなので、貼るのをためらいました……。す、すみません、小心者です。

「WEED」「FLOWER」「POLLINATION」と続く植物シリーズの最終巻です。
BL小説ですので、そっち方面に興味のない方は速やかにお戻りください。BLとは、「ボーイズラブ」の略称ですよ。ボーイに限りませんが、男性同士の恋愛を取り扱った内容になります。

さて、このお話は、容姿端麗な上に頭も腕もよい外科医の谷脇の話です。谷脇の性格はよろしくありません。はっきりいって人でなしです。頭がよいので病院内の人間関係でそれを露呈させることはありませんが、どうも、人を愛するという気持ちをどこかに置いてきてしまった人のようです。
「WEED」では、そんな谷脇の相棒として恋愛ゲームを楽しんでいた若宮が恋を経て変化していく様が描かれます。「FLOWER」では、谷脇という人間を変えることとなる一つの愛が語られます。若宮の変化を訝りながら、自分のもとへ預けられた研修医にちょっかいを出し、自分に溺れさせておきながら他人と恋愛をして研修医を傷つけ、痛めつけ、ついに離れさせてしまう。研修医は以前つきあっていた女性が谷脇の子を妊娠したのを機に彼女と結婚するが、彼女は妊娠中に子供ともども病気で亡くなり、研修医自身も進行の早い癌に侵され、谷脇の執刀を受けた後、亡くなってしまう。谷脇は、彼が亡くなって初めて、自分の中にできていた空洞に気づく、というものです。
「FLOWER」はあまりにもイタい話なので、どうにも何度も読み返すことができず、思い出すだけで胸が痛くなります。
私は、木原さんの話は、イタいからこそ好きなので、もちろんこの話もそれだから手元にあるのですが、それにしても本当にイタくて、イタくて切なくて、同時収録が「GREEN GREEN」のような話でなかったら耐え切れないだろうなあと思います。←いや、こちらはこちらでバカップルな兄弟の話なので私の萌えツボですが;;

「POLLINATION」はそんな過去を持つ谷脇が母親に腹部を刺された自閉症の少年の手術を執刀するところから始まります。あとはくどくどしく語りたくありません。谷脇という人間の変化を感じていただければ幸いです。

人間は、変わることのできるものなのだ、とやはり思います。
私自身は、変わりたいと願いながら、どこも変化することなく生きてきてしまっているように感じるのですけれど……。

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夜の神話 (講談社文庫 た 104-2) 夜の神話 (講談社文庫 た 104-2)
たつみや 章 (2007/02/10)
講談社


波津彬子さんのイラストがあまりにも美麗なので画像を大きくしてみました。波津さんのイラストは本当に雰囲気があって素敵なものが多いですよね。筆致や色遣いもとても素敵で大好きです。

このお話は、自然と人との暮らしを考える<神さま>三部作の二作目であり、取り上げられているのは原子力発電の問題です。先日の新潟・柏崎の地震でも、原子力発電所の放射性物質の管理などが大きく取り上げられていましたが、私たちの生活が電力に依存している以上、電力をどうやって供給するかは私たち人間すべての問題のはずです。子供の頃からそういうことを考える一端になれば幸いだと思います。

<神さま>三部作の中では、このお話だけが悲しい結末に終わっているので、あまり読み返すことをしませんでした。久しぶりに読んでみて思うのは、それでもどうにかして折り合いをつけて生きていかなければならないという人間の性のようなものです。人間はこれだけのことをして、自然を壊して、自分達の生命すら脅かされるようになって初めて、自分達の罪を知った。それまでに命を絶たれた様々な生物があるのを承知の上で、開発し続けることをやめなかった。

他よりも先んじるために?
他よりも優位に立つために?
他よりも豊かであるために?

そうして作られた「便利で豊かな生活」の中で生きる自分。

完全に否定することはできない。
かといって、単純に享受することもできない。

生きるということは、かくも矛盾に満ちているのか。

そんなことを思うのです。

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