もうひとつ、佐々木丸美さんで。 この作品は、全く読んだことがなかったのですが、なかなかおもしろかったです。 孤島に残された三組の高校生カップル。そして、四歳の女の子。 優秀な男子のリーダーシップと、それに従う女子の協力、そして女の子の不思議な力。 話としては、きちんとした終わりを迎えていないのが残念な感じでしたが、それでもなかなかおもしろかったです。 また、全くシリーズものとは関係がないと思っていたのですが、「星玲子」の名が文中にあったので、そことつながっているようでした。もう一冊、これで出してくれたら随分すっきりしたんだろうになあ……と思います。広がりは、それくらいある作品です。 三組のカップルもそれぞれ個性が出ていてよかったです。 男子は、佐々木さんがいかにも描き出しそうな感じで、<館>シリーズのお兄さん達を彷彿とさせるし、女子もちょっと甘ったれでわがままな女の子やしっかり者のお姉さんタイプとか、そこで現れてくる人間関係のトラブルとか、そういうことの描き方も上手だなあと思いました。 でも、佐々木作品は、絶対的に女は男に付き従うもの、というスタンスなんですよね。 それが悪いとは思わないのですけども、女性が社会に進出していき始めた時代にあっては、結構つらい部分もあったのかなあなどと余計なことを考えました。 味戸ケイコさんの表紙は今回もとても素敵だったので、大きめ画像で入れてみました。 全集も、残り六冊。 もうすぐ<館>シリーズです。
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あろうことか、まだ書いていなかったのですね……。 <館>シリーズの三作目にして、そして、ようやく千波ちゃんのお話です。 両親を事故で失った少女・千波は不思議な縁に導かれ、辿りついた屋敷の主・吹原に引き取られる。 吹原の家にはじいやとばあやと小夜という使用人がおり、みなそれぞれに主人の吹原を愛し、仕えてきた。 ところが、そこに千波という異分子が紛れ込み、吹原のこれまでにない扱いを受けることにより、微妙に保たれていたバランスが歪む。 そして、起こる事件……。 といった感じでしょうか? 初読時、千波ちゃんが予想よりも遙かに強い少女であったことに驚いた覚えがあります。 しかし、やはり彼女は素晴らしい少女でした。 本当に、私の理想です。こんなふうでありたかった。 まだまだ彼女のようにはなれません。 容姿はともかくとして、その他の部分で少しでも近づけたらいいなあと思うのですが、それにはたゆまぬ努力が不可欠です。 それでも、少しでも憧れた彼女に近づけるよう、がんばってみたいと思います。 吹原先生は、せっかく生まれ変わってきた千波ちゃんに対して結構ひどい人ですが、それだからこそ、佐々木作品は、なんかいいなあと思うのですね。男性陣が甘ったるくないところがとても好きなのでした。 ハードカバー版も楽しみにしています。
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同時発行の「橡家の伝説」と続くシリーズもの……なんですが、やはり未完……なのでしょうか?それとも、これって、『夢館』に続いているのかな!?そういう視点で『夢館』を読んだことがないので全然気づかなかったんですけど、今度『夢館』を読むときには注意したいと思います。←まだ文庫版をGETできていない;; 『水に描かれた館』から数年後、やはり百人浜のおばの家を訪れようとする哲文と涼子は、途中で道に迷い込む。通いなれた館への道を間違えるはずがないのに……と訝るふたりであったが、おばの家のあたりには大きな屋敷があり、ひとまずそこで雨宿りをさせてもらうことにする。その家の主である波路には、長く秘めた思いがあり…… といった感じで始まる物語は、やはりリリカルでありながら超常的。 その時を超えた力を証明するということが、隠された遺産として伝えられ、その証明を哲文と涼子が請け負うこととなるわけですね。 その過程はいずれにしろ、どのような結末を迎えるのかということをはっきり読みたかったなあと感じます。 遠い過去に一読しただけだったので、再読できたことがとても嬉しい作品です。
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ある企業の経営権を巡る鍵を持つ三人の少女。 一人は孤児院に、一人は家から家を転々とし、一人は敵陣の真っ只中に放り込まれる。 このお話は、その三人目の少女のお話である。 昭菜は幼い頃から父母の愛情の不足を感じていた。 四人の姉妹と自分。 からだが弱く満足に学校に通えないうちに、字も読めず計算もできず、ほとんど家から出たこともなく成長した自分を姉妹や従姉妹の奈津子はばかにする。姉妹はそれぞれに違った個性をもって成長してゆくが、昭菜は自分を卑屈に思いながらも生活を変えられずにいた。 そして、この家に暮らすもう一人の人物が母の弟である叔父だ。 彼は本岡家の切り札の男性として期待され、高校生の頃からこの家で彼女達とともに暮らす。 そんな彼を執拗なまでに愛したのが末娘の織と従姉妹の奈津子だった。 あるとき、昭菜は自分が両親の実の子でないことを漏れ聞く。 複雑に絡み合った糸が、様々な恋をさらに絡め、少女の命を奪わせる。 会社の経営権のために、これほどまでに苦しまなくてはならないのかと問題を投げかけて逝く郁ちゃんは、悲しいまでに美しく、その姿はまるで千波ちゃんのことを告白した時の棹子を想起させる。 今回は、一読して物語の本筋にあたる恋愛のことよりも、彼女らを取り巻く運命の方に気が行ってしまった。本当に、この後のことが気にかかる。読みたかったなあ。 それにしても。 祐也さんは飛鳥に対して厳しくも優しい人だし、高杉さんはなんのかんの言っても葵に振り回されているんだと思うのですが、橘さんは、なんていうか、本気でオトナの男の人ですね! 「僕は昭菜の純情には応えられない。」 ってこのセリフにはキましたよ。いや、結局責任取ってくれるんですけどね……。 幸せになれるといいんですけども。
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大変久しぶりに読みました、この作品。 私は祐也さんに次いで吹原さんが好きなのですが、彼に出会った作品がこれでした。 懐かしいです。 <館>の財産目録の確認・調査のためにさまざまな鑑定者が<館>に逗留することになった。招かれた客の数と実際に到着した客の数が合わない。やがて起こる不思議な体験。殺人事件。 招かれざる客は一体誰なのか? そしてその目的は? そんな感じですね。 事件の解決に大きな役割を果たすのが吹原さんであり、この作品中、最も印象に残る人です。そして、この後の『夢館』では、彼の屋敷が舞台となって、物語が進みます。また、彼は『夢館』で明かされるように、<館>シリーズと<孤児>シリーズをつなぐ人物でもあるのです。 しかし!! 涼子はずるいなあ。 なんのかんのおいしいとこ取りな気がしますよ。 まあ、現実もこんなものかもしれませんが。 石垣女史の気持ちはよくわかります。年を取ったからなおさらかもしれません。
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