女王国の城 (創元クライム・クラブ)女王国の城 (創元クライム・クラブ)
(2007/09)
有栖川 有栖



15年ぶりの新刊だったとは驚きです……。
とはいえ、私が有栖川氏の著作にハマったのは1990年代の終わりでしたから、多分待っていた歳月は10年くらい……。それでも10年くらいか;; 次もこのくらいかかってしまうとしたら、かなり泣けますね。
でも、やはり江神さんは大好きな存在で、読み始めたらノンストップで読了してしまいました。
二段組でこの厚さは手強かったけれど、一日で読み終えられてよかったですよ;;


大学に姿を見せない江神さんの身を案じるアリス。下宿には、急成長を遂げる新興宗教<人類教会>の本部がある神倉へ向かったとおぼしき跡が。
推理小説研究会のメンバーとともに神倉へ向かったアリスは、なんとか江神と再会するが、その直後、事件に遭遇する……。
<城>のような宗教本部とそこに渦巻くさまざまな感情。
事件は連続殺人の様相を帯びてゆく……。


相変わらず、似非ミステリファンの私は真相にかすりもしない感じでしたが、今回の解決篇はがっかりしない感じでよかったです。犯人が事件を起こすに至った過程にも、納得できる部分がありましたしね。作品としては申し分ない感じでしょうか。
ただ、長いのには辟易しました。なんでだろう。
イージスとかと比較して、同じくらいだと思うんですけどね。
多分、事件そのものに関する記述ばかりで、シリーズものとして江神さんの謎に迫る部分が少なかったからかもしれません。←私の興味はそこですから;;
まあ、最後になぜ江神さんがこの宗教に興味もないくせに本部を訪れたかという説明はされますがね。

しかし、あと長編一冊でこのシリーズは完結するのだそうです。
短編集も発行されるそうですが。
江神さんに関するお母さんの予言が外れて、彼が予言に囚われずに自分の人生を歩き出してくれることを祈っています。

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海のある奈良に死す 海のある奈良に死す
有栖川 有栖 (2000/05)
双葉社


前回が学生編だったので、今回は作家編です。
私が所持しているのは実のところ角川文庫版なのですが、そこはそれ。
最初に読んだのは単行本だったので双葉社版ですが、正直、何が違うのかは知りません。

このお話は、まず、タイトルから惹かれました。
最初は、作家編だなとと知らなくて借りたので、読み始めて彼らが登場していたので驚くやら嬉しいやらだったのを覚えています。
お話は新作の刷り上がりを見るために訪れた出版社で有栖が会った同業の赤星が「海のある奈良に行ってくる」という謎の言葉を残したまま死体となって発見され、その事件を解くというもの。
私は似非ミステリFANなので、この話も事件としてはスッキリ!ドキドキ!!というわけにはいかないのですが、薀蓄も仕入れられたし、初読は結構楽しんだ覚えがあります。
そもそも、作家編の長編は、事件や謎解きに感心した覚えがほとんどないのはなぜかしら……。そもそも『46番目の密室』からして「はあ〜〜?」なエンディングだったもんな…。そういうものを、私は有栖川氏には求めていない模様。

ええつと、実は私が有栖川氏を読み始めたのは作家編がきっかけです。
しかも火村助教授にかなりミーハーでした。
作家編は、よく考えると、うーん、どうだろう?的なセリフやらシチュエーションやら満載で、どうにもこうにもう唸ってしまうこと頻りだったのですが、この作品にもそんな場面がもれなくついてきます。知りたい人はどうぞ読んでください。

そう、私は結局こちらでも火村助教授の隠された過去を知りたいだけなのですね。一体、彼の過去に何があって、今現在の彼を形作っているのか。

きっちり描いてほしいと思っています。

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月光ゲーム―Yの悲劇’88 月光ゲーム―Yの悲劇’88
有栖川 有栖 (1994/07)
東京創元社


有栖川有栖氏が書く、「有栖川有栖」という人物が登場するシリーズはふたつある。曰く、「作家編」と「学生編」だ。「作家編」では有栖川有栖は推理小説家であり、大学時代に知り合った犯罪心理学のを専門とし、大学で助教授を務めている火村英生を探偵役にし、事件の解決が語られる。「学生編」では、推理小説を愛する有栖川有栖が大学で入会したミステリ研の仲間たち、とりわけ優秀であるのになぜか大学を卒業せずに残っている先輩の江神二郎を探偵役として事件の解決が語られる。
私は「作家編」で有栖川氏の作品にハマったのだが、今、熱烈に待っているのは「学生編」の続刊である。それゆえ、そのシリーズの最初にあたるこの作品について書いてみようと思った次第。

ミステリ研のメンバーと共に参加したキャンプで起こる殺人事件。
ひとり帰ると先に下山した女子学生と、事件とは関連しているのか?
犯人は彼女なのか?

学生編の好きなところは、青春の香りが失われていないところ。
あの年代に独特の、切ない悲しさに満ちている。
そんな、感傷的な雰囲気が好きだ。
そして、江神さんのもつ謎。
優秀でいながら、なぜか大学に留まり続ける彼。
一体何が彼を学生でい続けさせるのか?
正直なところ、その謎が、このシリーズの続刊を書きづらくさせている一因なのだとは思うのだが、これでつまらない結末を持ってきたら、本当にそれ以降読むのをやめてしまうかもしれない。
そのくらい、江神さんの幸せを願っているのだ。
どうか、彼を呪縛するすべてのものから解放され、穏やかに安らげる日の来ることを。

……そう書いて、私はやはり似非ミステリファンだ、と実感した。
これって、全然ミステリの感想ではないですよね、ははは。

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