アルジャーノンに花束を アルジャーノンに花束を
小尾 芙佐、ダニエル キイス 他 (1989/04)
早川書房


懐かしい作品です。キイスではやっぱりこれが一番好きかな。
文庫も出ていますが、画像は個人的に一番読みやすかった改訂版ハードカバーのもの。私はこれより前に出た黄緑色の表紙のハードカバーと文庫所持です。改訂版の方が活字が大きくて読みやすかったと記憶しています。

チャーリィはパン屋で働く青年。向学心はあるが、生まれつき脳の発達に障害をもっている。そんな彼のもとに、知能を発達させる手術の被験者にならないかという誘いがあり、彼は手術を受ける。彼は飛躍的に知能を発達させていくが、それと同時に今まで気づくことのなかったさまざまなことに心を囚われ、悩むようになる。そんな折、彼と同じ手術を受けていたねずみのアルジャーノンに異常な行動が見られるようになり…。

有名なので今更あらすじを語るまでもないと思いますが、一応こんなお話ですね。これらが全てチャーリィの綴る手記「経過報告」によって語られているところもこのお話の構成として見事な点だと思います。
最初は子供のような綴り間違いだらけの文章が、流麗で語彙も豊富になり、高度なものとなっていく。自分に自信を持ったチャーリィの姿はある意味傲慢ですらあります。
しかしながら、人間はそんなに万能な存在ではないということもこの話は言いたかったのではないかと思います。そこがたまらなく切ないのですね。最後の「けえかほうこく」に書かれた「ついしん」があそこまで胸に迫ってくるのもそのせいなのではないかと思います。

再読したい本は数あれど、なかなかできないこの現状…。

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