『姑獲鳥の夏』を初めて読んだときにも、やはり自分の世界が崩れるのを感じた。←崩されてばかりだな。その意味で、この作品はやはり思い入れが深くて何度も読み返した。 しかし、それと同じか上回るくらいに、この話が好きである。理由はいくつかあると思う。 まず一つに、冒頭の場面が事件の最終場面につながっている…つまり、冒頭から時間を戻して事件を語り、冒頭の時間に戻ってくる、という私が勝手に名づけた円環方式とでもいうような形をとっていること。そのため、何度も何度もぐるぐる回ってしまったのだ。 そして、その冒頭場面の桜の使い方がうまいこと。春になるとこの作品を思い出すのだ。 扱っている事件がフェミニズムに関わりがあること。女性としてはやはり気になる問題である。 妖怪シリーズは、キャラクターの絶妙さに惹かれて読んでいる人もかなり多いだろう。私も例によってその類であるが、それでもキャラの力だけではこの話を読み続けてこられなかったと思う。 やはり、そこに描かれる事件が自分にとっての何かを刺激しない限り、どんなによくできた作品でも読み続けることはできないのだ。 そういった意味で、私が清涼院作品を読み続けられなかったのは残念に感じる。『ジョーカー』は好きなんだけどなぁ。 で、このシリーズでの私のお気に入りは榎木津礼二郎と京極堂である。←もちろんピン同士でよ? あの奇天烈探偵ぶりもそうだが、榎木津はなかなか複雑なものを内に秘めていそうである。その辺が描かれた作品も、いつか読みたいものだ。
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