そんなわけで…… (どんなわけかわからない人は、この前の前に書いた『月蝕の窓』を参照のこと) 早速、見つけ出して読んでみましたよ;; 蒼に養子縁組の申し出をした神代教授はイタリア・ヴェネツィアに住む夫人との交渉を依頼され、京介を連れて日本を離れる。ヴェネツィアの孤島に侘しく住まうその夫人のところで行方不明になった女性がいると、かつて取材を受けたこともあるフリーライター藤島は一緒に連れて行ってほしいと執拗に申し出る。神代が留学生時代の友人の娘・アントネッラもその夫人と懇意にしているとのこと。そこへ二人を追いかけてきた蒼もやってきて、夫人の招待を受けるが…。 そこで起きた芝居じみた殺人事件。 さて、真相は? はい。私はまたしても全く記憶にございません状態で再読しました。 話自体はなんとなく覚えているんですよ。 人物関係とかね。 でも、事件については本当に何も記憶に残っていなくて、 犯人が確定するまで全く気づいていなかったのでした。 私にとってミステリも他の物語と同じで、物語としてのみ価値があり、 事件の謎解きには全く興味がないんだなあと改めて感じました。 だから本格モノはあんまり購入していないのね……。 まあ、ミステリだからといって、事件の構造だけに心を砕いているようでは、 よいものは作り出せないと思うので、物語のように読む、というのも、 それはそれでありだと思うんですけどね……。 そんでもって、やはりラストが大好きなんです。 自分のしたことは余計なことだったのだろうか……と感じる京介に、事件の収束とともにヴェネツィアに戻ってくる深春。 このあと、彼らの間でどんな会話が交わされたのか。 突っ込みどころといえば、言えるような……。 そこは、行間を一生懸命広げてみたりして。 そして、『月蝕の窓』での反抗期;笑につながるんだわ;; イタリアに行きたくなりました……。 ゆっくり過ごしてみたいものです。
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はい、『月蝕の窓』です。 深京派のみなさんにとっては、『灰色の砦』に次ぐバイブル!! 私の中で一番建築探偵が盛り上がっていたころですね……。 懐かしい←まだ完結していないのに懐古に浸るな!! 舞台は那須。 明治時代の西洋館『月映荘』の調査を依頼された京介は単身泊り込みでこれにあたる。 過去との葛藤で、現在周囲にある人々への依存を自覚し、これを断ち切るべきではないか…と、珍しく京介の内面が語られる。 また、この調査に赴く前に、門野老人から紹介された不思議な少女・輪王寺綾乃は、京介に警告を送る。 京介が館に赴くと、そこにはこの館で起こったと思われる事件を記した奇妙なレポートが。 そして、起こる殺人。 なぜ、このような事件が起こったのか? 犯人は一体、誰なのか? 蒼もほとんど登場しないので、珍しく京介視点。 京介視点って結構イタイですよね。 作者も話が進まなくて大変だったようですが;; でも、そのおかげで今後の展開を匂わせるような記述なども見つかって、私たちは大変やきもきさせられました;; 京介と父親の間にある、込み入った事情。 京介が、成し遂げたいと願っていること。 それゆえに、周囲の人々と距離を置かなくてはならないと彼が考えていること。 最近の作品ではその辺のことに絡んでいっているんでしょうかね……。 続刊の発売が待たれます。 ところで、私、一年前に発売されていた文庫版『仮面の島』を読了していないことに気づきました……。この話のラストも深京派のみなさんにとっては、喜ばしいシーンでしたよね……。早く読もうっと!
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8月9月と続けて文庫を刊行。 篠田さんもいろいろな場で作品を発表されていて、がんばっているなあと思う。 私はあまり熱心な読者ではないので申し訳ない限りですが、作品に対する姿勢は、本当に真面目で、書くということに対して一生懸命取り組んでいらっしゃるんだなと思います。 せっかくなので、今日はこれ、明日は『月蝕の窓』と桜井関連でいきたいと思います。 表題どおり、建築探偵シリーズで京介のおまけ的存在である「蒼」が関わった四つの事件の話なので、短編集です。しかし、ここで扱われているネタは結構社会的重みを持っていて、重厚です。どれも読み応えがあると思います。どの事件も「蒼」が10代の頃に起こったもののせいか、表題の「センティメンタル」という言葉が、非常にしっくりしていてよいと思います。ノベルス版の表紙もとても好きでした。(あの表紙の写真を撮影したのは旦那さまなのだとか……) 私は、建築探偵シリーズは「桜井京介」という人物の謎について興味があって読み進めているので、本当はそこで語られる事件そのものに興味はないのです。もちろん、彼に関わる人物には多少の興味はありますが、その中でも「蒼」に対する興味はかなり低いものでした。しかし、この作品を皮切りに続いた「蒼」シリーズとも呼ぶべき作品群の中で、彼は確実に成長していきました。今でも、やはりそんなに好きではないけれど、彼という人格を認められるくらいには、彼を評価できるようになったと思います。←以前は有無を言わさず興味がなかったのです;; 彼の友人のうちでもミネオは結構好きです。カゲリは複雑な過去を持っているようで、そういう部分でも蒼と惹き合うのかもしれないけど……オフィシャルな空気を感じてしまうけど……なんだか心中複雑だったりします。 あ、でも私は深京です。 ということで、次は『月蝕の窓』!
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何度見ても、このタイトルのインパクトは強烈だ。 しかしながら、いかにも童話にありそうな感じというか、なんというか。 講談社が出版している「かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド」の中の一冊。現在も配本は続いているのだが、この企画を進められた方は、先日お亡くなりになったようだ。ご冥福をお祈りしたい。 昔、あたしはとてもきれいなおかあさまとばあやとねえやとの四人で高い塀に囲まれた大きなおうちで暮らしていた。ある春、おかあさまはピストルで殺された。その日のことを、あたしはよく夢に見る……。 非常によくできたミステリで(トリックのこととかは詳しくないのだが)、読者のミスリードを誘う描き方といい、最後までおもしろく読んだ。 篠田さんは、実をいうと桜井京介しか読んでいなくて、龍の黙示録も全然進んでいないし(文庫で購入してあるが一冊しか読んでいない)、他の本も著者入魂の『アベラシオン』と『天使の血脈』だっけ、昔デュアル文庫で出たシリーズだけしか読んでいない。今気づいたが、この『魔女の死んだ家』はそれらに通じるゴシック的な色合いを濃く感じる。舞台は日本で、しかも現代であるのに、持っている空気は紛れもなく同じだ。 篠田さんは、恐らく好みの中に私の好みと相通じるものがあって、この話は悉くそれらが一致した稀な作品なのだと思う。だから、私と趣味が合う人――それも、私の暗い側面と趣味が合う人――であれば、恐らく気に入ってくれるのではないかと思う。ただ、私自身は篠田さんの作品には本当に微妙なところでしか触れ合うことができないので、性に合う作品を見極めるのが難しいのだ。 兄と妹、彼らの心を救うために全ての謎をクリアに解いてくれる彼が登場してくれるのも嬉しい趣向だったし、何より波津彬子さんの美麗口絵が大変嬉しかったのだった。 ミステリーランドは装丁がいいね、本当に。
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桜井京介については、最初に彼のことを聞いたときから物凄く興味を惹かれてやまなかった。自分の美貌を嫌うがごとく、前髪をうっとうしいほどに伸ばして顔を隠し、他者との接触は好んでとらず、機嫌をうかがうこともせず、他人にどう思われようとも構わない。頭脳明晰で、何か暗い過去があるらしい。 どこからどう見ても私が興味を惹かれるタイプである。しかしながら、肝心のお話の方はというと、これがイマイチ私の好みからは外れていたのだった。二冊目は結構好きだったのだが過去話だったし…(そういえば、灰色も過去だ! 桜井少年の方が好きなのかもしれん…)。三冊目を読んだときに、ダメかもと思ってしばらくほったらかしていたことは秘密である←秘密になっていない。 そんなわけで灰色を読んだのは出版されてからしばらく経過した後だったのだが、作者の意にはまってしまったわけですよ。それで、以来ずっと読んでいるわけだ。かつくらのインタビューを後に読んで、「悪かったな、ミーハーで」と思った覚えがある。(灰色でミーハーなファンを随分喜ばせてしまった、とあったのだ) さて、これは桜井京介と友人・栗山深春の出会い編。まだ十代の、大学に入りたてだった二人はとても初々しいです。事件の方も私の好みでなかなかいい感じなのですが、このお話といったらやはりコレしかないでしょう。 「ああ、君って本当に頭がいい!!」 京介の満面の笑顔つきでこんなセリフを言われた日には、深春じゃなくたってコロリといきますな。私も、これで転がされました;; そして、京介の持つ過去の謎はまだまだ解き明かされていない。彼という一個の複雑な謎。みなさんも、ぜひ、ご堪能ください。
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