よしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべりよしながふみ対談集 あのひととここだけのおしゃべり
(2007/10/04)
よしなが ふみ



出ていたことは知っていたので、どこかにないかなあと思っていたのですが、ようやく発見できたので早速買いました。

……読み出したら止まらない。

結果、読み終えるまで寝れませんでした。

よしながさんづいていますがお許しあれ。

よしながさんは、作品だけを拝見していても頭のよさが伝わってくる方ですが、この対談集を読んで、さらに他者への気遣いややさしさや、いろいろなことを感じ取ることができました。
個人的には、よしながさんと私は同世代であるということが確定し;笑、だからこそ、おっしゃっていらっしゃる内容が非常によくわかっておもしろかったです。
私もリアルマンガ友達に24年組を読んでいる人がいませんでした。そういう友人とはC翼や☆矢やCLAMPやゆんさんを語り合いながら、24年組の作品に思いを馳せ、切なくなったり感動したりしたものです。私に少なからず教養というものがあるのならば、それは24年組の作品の空気に触発されて身につけたものであり、ああいった作品に出会うことがなければ、マンガを消費するだけ消費して、きれいに卒業してしまったでしょう。――多くの友人がそうであるように。
しかし、私にとってマンガはただそれだけ、エンターテインメントとして楽しむだけのものではなく、やはり生きるために必要な何か、なのです。

三浦しをんさんとの対談の中で出てきたとある方の感想。
「愛すべき娘たち」のあの話を、
「あれは人を好きになることを怖がって、人生を棒に振った人の話だ」
よしながさん「あれは人を好きなる能力を持っていない人の話なんです」
そしたら「それは重い話ですね」
作品は読者によってさまざまな受け止め方をされるというのはわかっていたけれど、こういう読み方もできるっていうのは衝撃でした。価値観が全く違う。

でも、人間というのはみんなが違っているからこそ話す価値があると思う。
だから、傷ついてもいいからコミュニケーションをとることは大事だと思う。

ちょっとだけ、「ああ、私だけじゃないんだ」感が深まって、嬉しかったです。

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華麗なるオデパン (文春文庫 ふ 13-9)華麗なるオデパン (文春文庫 ふ 13-9)
(2007/10)
藤本 ひとみ



随分久しぶりに藤本ひとみの本を買った。
もう、長いこと、彼女の本を読まなくなっていた気がする。
これは、単行本で読んだ時から買おうと思ってはいた。
読もうと思ったきっかけは、「美馬貴司」。
彼が登場していなければ、この物語を手に取ることはなかっただろう。
私は「美馬貴司」が大好きだ。
花織シリーズは彼が登場するお話だけしかもっていないけれど、新花織シリーズは全巻買い続けたし(挿絵がさいとうちほさんだったこともあるけど……)、藤本ひとみのキャラクター中、シャルルと並んで1・2を争う存在である。←ちなみに次点は早匂くんである。そのため、うっかりつっぱりララバイを中古で見かけたとき買ってしまった……。マリナシリーズは持っていない;;

上流階級の子弟で構成されるオデパン。ところがそこに同伴者として連れてこられたひとりの女性が会の和を乱す行動をし、リーダーシップを取れる男性陣が会に参加しなくなってしまう。自由を求めてそういった世界とは無縁な夫を選んだはずがその夫の愛が自分にないことに気づいた真織は離婚を申し出るが、次期社長と目されている夫は承知しない。青春の象徴だったオデパンの危機を知り、久しぶりに参加を決めるが…。

この本には、33歳の彼が登場する。
期待に違わず素敵な成長振りだった。
彼は単なる脇キャラであるのだが、サブでも結構重要な位置を占めるキャラクターだったので、読み甲斐があってよかった。
そして、この本自体もおもしろく感じられる話でよかった。

単行本で読んだ時から続編が出るだろうことは予測された感じだったけれど、やはり続編があるようだ。こちらはまだ読んでいないので、文庫で出るのを楽しみに待っていようと思う。やはり、華麗なる美馬貴司が登場し、活躍してくれるのを期待している。
そして、物語のおもしろいことを。

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POLLINATION (B-BOY NOVELS) / 木原 音瀬

画像はあったのですが、あまりにもあまりなので、貼るのをためらいました……。す、すみません、小心者です。

「WEED」「FLOWER」「POLLINATION」と続く植物シリーズの最終巻です。
BL小説ですので、そっち方面に興味のない方は速やかにお戻りください。BLとは、「ボーイズラブ」の略称ですよ。ボーイに限りませんが、男性同士の恋愛を取り扱った内容になります。

さて、このお話は、容姿端麗な上に頭も腕もよい外科医の谷脇の話です。谷脇の性格はよろしくありません。はっきりいって人でなしです。頭がよいので病院内の人間関係でそれを露呈させることはありませんが、どうも、人を愛するという気持ちをどこかに置いてきてしまった人のようです。
「WEED」では、そんな谷脇の相棒として恋愛ゲームを楽しんでいた若宮が恋を経て変化していく様が描かれます。「FLOWER」では、谷脇という人間を変えることとなる一つの愛が語られます。若宮の変化を訝りながら、自分のもとへ預けられた研修医にちょっかいを出し、自分に溺れさせておきながら他人と恋愛をして研修医を傷つけ、痛めつけ、ついに離れさせてしまう。研修医は以前つきあっていた女性が谷脇の子を妊娠したのを機に彼女と結婚するが、彼女は妊娠中に子供ともども病気で亡くなり、研修医自身も進行の早い癌に侵され、谷脇の執刀を受けた後、亡くなってしまう。谷脇は、彼が亡くなって初めて、自分の中にできていた空洞に気づく、というものです。
「FLOWER」はあまりにもイタい話なので、どうにも何度も読み返すことができず、思い出すだけで胸が痛くなります。
私は、木原さんの話は、イタいからこそ好きなので、もちろんこの話もそれだから手元にあるのですが、それにしても本当にイタくて、イタくて切なくて、同時収録が「GREEN GREEN」のような話でなかったら耐え切れないだろうなあと思います。←いや、こちらはこちらでバカップルな兄弟の話なので私の萌えツボですが;;

「POLLINATION」はそんな過去を持つ谷脇が母親に腹部を刺された自閉症の少年の手術を執刀するところから始まります。あとはくどくどしく語りたくありません。谷脇という人間の変化を感じていただければ幸いです。

人間は、変わることのできるものなのだ、とやはり思います。
私自身は、変わりたいと願いながら、どこも変化することなく生きてきてしまっているように感じるのですけれど……。

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黄色い目の魚 黄色い目の魚
佐藤 多佳子 (2005/10)
新潮社


初めて佐藤さんのお話を読みました。
最近、結構話題になっているので、お名前だけは知っていたのですけれども。
読んでみた感想は、「いいなあ」。
他の作品も読んでみたいです。

イラストレーターで漫画家でもある叔父をもつみのり。
絵を描くことが好きな男の子、木島。

このふたりを視点とした連作短編で綴られる物語は、日常の出来事を淡々と描き出しながらも、心が揺れ動いていく様を丁寧に描き出している。恋に慣れない初々しいふたりがぎこちなく近づいてゆく様がとても微笑ましい。最初は、決して好意的な始まりでなかったのに、少しずつ少しずつ、お互いを知るごとに近づいていっている。それがとてもかわいらしい。

みのりの叔父の通ちゃんも、少し気になる存在だった。
できれば、彼の話なんかも読んでみたいなあ。

他の作品も読んでみようと思います。

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赤朽葉家の伝説 赤朽葉家の伝説
桜庭 一樹 (2006/12/28)
東京創元社


初・桜庭一樹です。
この作品に佐々木丸美さんの影響が見えるというのを文庫版『夢館』の解説で読んで、興味をもち、読んでみることにしました。

鳥取で製鉄業を営む旧家・赤朽葉家にまつわる三代の女性の話。
千里眼を持つ万葉とその娘、孫。
不思議なできごとと、その収束のつけ方が見事。
ただ、語りものとして進んでいくので、話の進行が淡々としてしまったのが残念。
でも、おもしろかった。

キャラクターの造形と絡ませ方がとても上手。
私は、万葉の旦那の曜司が結構好きだと思った。
それから、長男の泪くんとその友人の三城くん。←ここにひっかかるあたりが腐女子だ;;
だけど、豊寿の生き方が何よりも胸を突かれた。

あの結末があって、この作品は感慨を残すんだなと感じる。

他の作品も読んでみようかな。

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