哀しい予感 哀しい予感
吉本 ばなな (1991/09)
角川書店


好きになる本って、読み始めてすぐにわかる。
極端な話、初めの一行、一言、1ページ読んだだけで、
「あ。私はこの話を気に入るだろうな」とわかる。
この本は、最初の1ページを読んだときに私にそう思わせた話だった。

久しぶりに手にとってみたが、やっぱりこの話が好きだった。
なんでだろうと思ったのだが、よく考えてみたら、自分の好きなネタだった。ばななさんで好きなのはこれと『NP』『アムリタ』などと出てくるあたり、我ながら傾向が明らかすぎる。
血縁関係のゴタゴタが描かれていながら、作者の筆致はさらっとしていて暑苦しくない。夢に出てきた話のようにリアルでない。そんな印象。
だから、人に薦めたくなるような感じではないのだけど、好きか嫌いかと問われると、好き。そんな感じだ。

最初に読んだときは主人公と同じくらいの年齢だったのに、気付けば叔母の年頃になっていた。また違った感じを受ける。
先日職場で「面白いと思った本しか買わない」と言ったら驚いていた人がいたが、本を再読するというのはそんなに珍しい行為なのだろうか。私はじっくり読むということができない人間なので、気に入った本は大概何度も読むハメになるのだけど。

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